たまに「同人サークルなのに自主イベントに手を出して…」とか「最近のうさぎハウスのやり方は同人ぢゃない、失望した」という言い方をされてしまうことがあります。冷静に振り返れは、新しい自主企画を出したり、バニーで仕事の出来る話を持ち出したりしたとき、こういう突っ込みが出てくるのが過去の恒例です。
 では、本当にうさぎハウスの方針は変わってしまったんだろうか、色々新しいことにチャレンジはしているけど、私は何も変わっていないつもりなのになぁ…と思っていたある日、うさぎハウスの同人誌をたまたま全部読み直すチャンスがあって気づきました。やっぱり、基本方針は創立時から全く変わっていなかったのです!!
 91年夏に創刊された「うさぎハウス1号」(同人誌の創刊号)に、「水商売以外の明るいバニー仕事があれば良い」といった内容がきちんと書かれています。バニーのイメージが水商売で、自分は水商売の世界には抵抗があり、もっと良いイメージの仕事が安直にあるなら(たとえば、アンミラのような雰囲気のバニー喫茶とか)バニー姿で仕事したいのに、そういうのがないからやむなく自分で衣装を購入したというのが、私のバニーコスプレに転ぶ歴史なのです。そういう流れもすべて、同人誌に書かれています。
 ですから、今後は「うさぎハウスの方針は変わってしまった」などのクレームは聞き流すことにしました。同人誌を作っているのもうさぎハウスだし、自主イベントを企画するのもうさぎハウスだし、お仕事の交渉をするのもうさぎハウスです。すべては「バニーの地位向上」と「バニりたい女の子のメリット」が優先です。ただし、うさぎハウスの営利のために探しているのではありません。どうせ派遣業の許可とかないから仕事の斡旋などできません。仕事が欲しい女の子がいたら直接紹介して、ギャラは全部、仕事をした女の子のものです。やっても私は割にあいませんが、自己満足でやっています。自己満足ですから同人ですね☆

 と、前ぶりが長くなりましたが、本題。

 水商売でバニることに抵抗のない人なら、もちろんそれでいいんです。また、コスプレイベント(コミケやダンパ)でバニっていてそれで十分楽しい(疑問を感じない)という人はそれでいいいし、それは違うとかイケナイと言ったこともありません。ただ、水商売は抵抗があるけど、コミケのコスプレもちょっと違う、と感じてしまった人の行き場の問題があります。…って、要するに自分のことなんですけど(笑)
 ちなみに私、コミケやオタクが嫌いとか、そういうのは全くありません。むしろ自分もオタクだと思っているので、近いニオイを感じる心地よい空間ですヨ。しかし、現実的に私はアニメやゲームのネタをほとんど知りません。また、そういう話しかできず独特のテンションを持った方の一部に「ついていけない」といった雰囲気を感じることもあります。また、別のところでも書いたように、コミケの撮影場所でバニー姿で出て行くと知らない人のカメラにわーっと囲まれてしまうのにはどうも抵抗があり、そこを「終着駅」とは思えませんでした。
 単純なことなんです。バニー姿で何かをやって「納得できること」なら何でも良いのです。この場合の納得とは「楽しかった」という充実感、あるいは「価値を正当に評価してもらえた」という満足感…、その他色々あるとは思いますが、それができるだけ得られる形の「場」があれば良いっことですね☆ しかし、ここで問題になるのが、個人によって、価値観が違うという点です。
 ある人にとっては「有名になること」が価値です。雑誌の取材を受けたり、コミケ会場などでTVカメラが回ってきたら目立つように写ってめいっぱいアピールする。彼女にとっては「自分」の姿が売れることがすべてです。後で友達から「**ちゃん、雑誌に載っていたねー、すごぉい」と言われれば、それが嬉しいのです。ですから、メディアに出るに当たってお金を貰おうなどという発想はないし、彼女にとってはお金はどうでも良いことなのです。
 またある人にとっては、「正しく伝わること」が価値です。いくらコミケでTVカメラに写っても、自分の主張や何故バニーをやっているかは伝わらない。結局、面白おかしい映像だけがピックアップされて「派手な格好の娘がいますねぇ」で終わらされてしまう。それぐらいだったら下手に出る必要はないし、正しく文章で伝えていただける雑誌などのメディアに編集者と打ち合わせをし、こちらから提供した問題ない写真で紹介していただくほうが無難だと考えます。
 またある人にとっては、「友達と楽しく遊べること」が価値です。バニー衣装はいわば付随的なものというか、同じようなコスプレの趣味がある人と楽しくアニメとかコスプレの話をして盛り上がれて楽しい時間をすごせればそれで満足。写真とか、目立つとか、そういうのはどうでもいいという人もいます。
 ある人にとっては「ちやほやされること」が価値です。コスプレをしていて「お似合いですね」と誉められたり、「可愛いですね」「スタイル良いですね」と羨ましがられたり、「写真撮らせてください」と声をかけられたり、そういったことが自分を容認し持ち上げてくれるる態度と感じ、心地良いのです。バニーで人前に出ると独特の視線を浴びますから、それを快感ととる娘もいます。
 またある人にとっては、「お金を貰えること」が価値です。これは、金のためなら何でもやるとかそういうのとは違います。コスプレ会場ではその場のノリで無責任にチヤホヤされたり大勢のカメラに囲まれたりするけど、それは「有名になったかのような錯覚」であり、本当に自分に価値があるかどうかとは違う。しかし、お金をいただいて仕事になるというのは、確かに責任もあるし面倒なこともあるけど、きちんと価値が世間的に評価されている証拠ともいえるので、自分を再確認してみたいといった感じでしょうか。
 同じくお金が貰えることに価値を感じるもう一つのパターンとして、衣装代にお金がかかるというのがあります。いくら趣味とはいえ、6万近いお金を出して購入したバニー衣装、もしこの衣装でいくばくかでも仕事のチャンスがあるのなら、チャレンジしてみたい(元をとりたい!?)という発想です。これは、せっかくパソコンを買ったからには、在宅勤務の仕事とかもやってみたいなという感じに近いですね☆

 とまぁ、上記はほんの一例で、それぞれがそれぞれ、自分のバニー衣装について思っていることは本当に多様です。そして、その価値観はときにぶつかってしまうこともあります。私から見れば「相手は相手、自分は自分なんだから、なにも反目しなくていいぢゃないの」と思うのですが、自分と違う価値観で動いている人は「敵」と見えてしまう人もいるようです。
 うさぎハウスとしては、バニーで何か新しいこと(今までの風俗的なイメージを打破できる活躍)をしたい娘の福音になる情報を、できるだけ多種多様な側面から伝えてお手伝いしていければ良いという発想です。こういうのもあるよ、ああいうのもあるよ、これにはこういうメリットがあってこういうデメリットがあるよと客観的にお伝えしていくしかありません。「バニー喫茶」「バニー撮影会」などについても、今までそういう選択肢がなかったから作っただけで、本当の価値は「今まで世間になかったバニーの新しい世界が出来た」ということです。「これに出たから偉い」とか「これに出ない娘はうさぎハウスのバニーぢゃない」とかそういうものとは違います。今までの世俗的なイメージ(アダルトイメージ)以外でバニーが活躍できるたくさんの選択肢を作るのが私の役割で、それを聞いた貴方は「やってもいいかな(やりたいな)」と思ったところだけやれば良いし、誰かが貴方だったらやらない(やりたくない)ことをやっていたからといって「それは違う」などと言うのも違うかなと思います。ましてや、「私には理解できないことをやったからうさぎハウスは私の味方ではない」など、そんなレベルで目先をみないで、もっとグローバルにうさぎハウスのやりたい先を見つめていただければ幸いです☆

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