高いお金を払って買わなくても、無料で…いや、バイト料を貰って着れるチャンスという意味では、水商売はなかなか合理的に思われる方も多いかも知れません。事実、その商売に抵抗がなく、なおかつ良い店に当たれば、これは一番手っ取り早い手法とも言えます。ただ、水商売だけに、店選びを失敗した場合は、思惑から外れて大失敗となる落とし穴も潜んでいます。
 今まで因幡はこの話を書いたことはなかったのですが、どうして非水商売系の「自前バニー」に走ったかの重要な内容ですし、他の娘が失敗しないためにも、今回あえて自分の嫌な思い出を公表することにします.

 実は、最初はバニー衣装が欲しくて衣装業者を探したのですがどうしても見つからず、水商売のお店に潜入して衣装を買い取らせて貰うか、買えないとしたら業者を調べて後で注文しようと考えて、とあるバニーパブに潜入したのです。
 幸いなことに(?)私は体型が太めで、店の既存衣装ではきゅうくつだったので、新しく私用の衣装を作る話になりました。その店は特に買い取りというシステムではなかったのですが、店長が猜疑的な人で「オーダーにお金がかかるから作ってすぐに辞められては困る」と言うので、これ幸いと「では、買い取ります」と持ち掛けました。私としては、内心ラッキーと思いました。そういう約束をしたからには、辞めても確実に衣装は自分のものになるし、衣装のモトがとれるほど働いてないから辞めるなといわれることも防げるからです。はなから「水商売」をしたかったのではなく「衣装」が欲しかっただけですから、これで万事うまくいくと思いました。
 しかし、現実は甘くなかったのです。給料から衣装代が天引きされている間は我慢して働きましたが、それがなくなって(衣装代を全部払い終わった)しばらくしてから辞意を伝えると、店長の態度が急変したのです。ほとんど理屈が通らないような脅しをかけられ、結果として最後の給料も衣装もどちらも手にすることはできず、喧嘩ごしで追い払われてしまいました。まぁ、今考えると他の従業員ともトラブっていたのを見たことがあるし、この店がことさらに特殊だったんだと思います。
 ただ、水商売は一度入るとなかなか簡単に辞めさせてくれない傾向にあるのは事実です。また、巷で悪い噂に聞くような店も本当に存在します。逆に、経営がしっかりしていて安心な店ほど、衣装の管理もきちんとしていますから、貴方がプライベートでバニー衣装を自由にできる余地は少ないと思います。それに買い取らせてくれない衣装を勝手に持ち出すのは、やっぱりよくないしトラブルの種です。
 とはいえ、制服が買い取り制になっているからといって安心できません。代金を払っても、その衣装は必ずしも自分のものにならない、つまり「店の衣装代一部負担」にすぎないケースは他にも結構あるようです。聞いた話ですが、ソープなどの性風俗はだいたいそんな感じみたい(笑)
 ともかく、「衣装だけ買い取ってうまいこと辞める」なんて、そうそう簡単にはいかないってことです。もちろん、店の雰囲気もよくて買い取り制になっていて、問題ないという噂の店もあるにはあります(たとえば銀座のZenとか。ただし、人から聞いた話であり、こちらできちんと調査はしていませんので、念の為)。しかし、安心を提供するうさぎハウスとしては、「バニーパブで働いて衣装を手に入れなさい」などと安易な斡旋は出来ません。飲み屋の仕事(酒の席での男性向け接客)について自分の中で割り切りができ、万が一トラブルがおきたときの責任も持てる方のみが、承知で潜入するのが無難かと思います。

戻る